フィリピンの基本情報

人口1億492万人(2017年、国連推計)

首都マニラ(マニラ首都圏1,287.7万)(2015年、フィリピン政府統計)

主要都市ダバオ163.2万人、セブ92.2万人、サンボアンガ86.1万人(2015年)(世界年鑑)

主要言語フィリピノ語、英語(ともに公用語)、他に8つの主要方言 

民族マレー系が中心、中国系、少数民族等

宗教キリスト教93%(カトリック81%)、イスラム教5%、ほか 

面積30万平方キロ(日本の0.79倍)(2017年、The World Fact Book(WFB))

(2000年、WFB)

GDP3,134億米ドル(2017年、フィリピン政府統計)※産業分野別比率は本文第5項参照

一人当りGDP2,988米ドル(2017年、フィリピン政府統計)

労働力人口4,139万人(2017年、ILOデータベース) ※産業分野別比率は本文第5項参照

産業別分布(%)サービス業59.0%、製造業20.1%、農林水産業10.3%、建設業6.7%(2015年、(公財)国際金融情報センター各国情報より)

IL0中核8条約要批准総数:38、中核8条約批准:8(すべて批准) (2018年6月、ILO)

通貨1フィリピン・ペソ(PHP)=2.09円 1米ドル=52.0PHP(2018年前半平均、IMF)

政治体制共和制

国家元首ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ大統領

議会二院制:上院24議席、下院297議席

行政府大統領のもと、大統領府、19の省。首相なし。

主な産業農林水産業、サービス業

対日貿易対日輸出1兆961億円、対日輸入1兆2,480億円(2017年財務省統計)

日本の投資1,119億円(2017年、財務統計)

日系企業数1,502社(2017年、外務省統計)

在留邦人数16,570人(2017年、外務省統計)

気候熱帯気候、雨季5~11月

日本との時差-1時間

社会労働情勢概要・ドゥテルテ大統領が麻薬対策や治安の改善に取り組むが、ミンダナオではIS系のイスラム過激派のテロがみられる。
・経済は好調を維持し、ASEAN中でも高い成長率を継続。1000万人を超える在外労働者からの送金も経済を支えており、国内産業の体質改善と競争力強化が課題である。
・生産年齢人口が多く、労働者の半数以上が第三次産業に従事する。国民の経済格差や非正規労働、インフォーマル経済の増大等が課題。
・最低賃金は各地の三者委員会で決定されるが、この間、地域別、産業別ともに引き上げが続いている。
・労働組合はフィリピン労働組合会議(TUCP)が主軸。組織拡大や政策課題などに取り組むが、分裂状態にあり、今後の対応が課題。

主な中央労働団体フィリピン労働組合会議(TUCP:Trade Union Gongress of Philippines)
自由労働者連盟(FFW:Federation of Free Workers)

労働行政フィリピン労働雇用省(DOLE: Department of Labor and Employment)

中央使用者団体フィリピン経営者連盟(ECOP:Employers Confederation of Philippines)

最終更新日2018年 9月 30日

主要統計
(GDP)年201220132014201520162017

GDP成長率6.86.96.16.16.96.7

一人当りGDP(ドル)2,6122,7692,8512,8822,9552,988

物価上昇率 (%)3.23.04.11.41.83.2

失業率 (%)7.07.16.66.35.45.7

1.政治と社会の動向(1945年以降)

年事項

1945年日本軍降伏、米国領に復帰

1946年米国から独立、フィリピン共和国。ロハス大統領就任

1965年マルコス大統領就任、ベトナム戦争支援強める。

1969年新人民軍(共産党の軍事組織)発足。1970年モロ民族解放戦線(MNLF)創設。

1972年マルコス大統領、戒厳令布告。1973年、暫定議会選挙、マルコス系圧勝。

1981年「戒厳令」解除。大統領選挙、マルコス氏三選

1983年アキノ元上院議員、マニラ空港で暗殺。民主化運動が急展開。

1986年総選挙をきっかけに「ピープルズパワー」、マルコス米国亡命。

1986年コラソン・アキノ大統領就任。1989年には軍部隊の反乱を鎮圧。

1989年ミンダナオで住民投票。4州でムスリム・ミンダナオ自治区(ARMM)発足。

1992年F.ラモス大統領就任。経済自由化促進。民族解放戦線(MNLF)と和平、共産党一部合法化。

1998年エストラダ大統領就任も疑惑で退陣、2001年アロヨ副大統領昇格(9年5か月の長期政権)

2010年ベニグノ・アキノ3世(コラソン・アキノ元大統領の長男)、大統領就任

2012年成長率が6%を超え今日まで7年間継続、ASEAN屈指の経済成長。

2014年MNLFから分かれたモロ・イスラム解放戦線(MILF)との包括的和平合意。

2016年ロドリゴ・ロア・ドゥテルテが大統領に就任。麻薬取締など強化。

2017年共産系の新人民軍との停戦合意破棄。ミンダナオでIS系の過激派との戦闘。

2.国家統治機構

元首

 大統領。現在はロドリゴ・ロア・ドゥテルテ。正副大統領ともそれぞれ別に直接選挙で選出。任期6年、大統領の再選および副大統領の連続3選は禁止。

議会

  • 上院、下院の二院制。
    上院(元老院):24議席。全国1選挙区で任期6年、3年毎に半数改選。3選禁止。
    下院(代議院):297議席。選挙区選挙で任期3年。4選禁止。

  • 2016年総選挙による主要政党の獲得議席
    自由党(LP)115、民主主義者国民連合(NPC)42、国民統一党(NUP)23、
    国民党(NP)17、統一国民連合(UNA)11、ラカス(CMD)4

行政

  • 内閣は議会の承認を得て大統領が任命。大統領、副大統領、19の省庁の大臣・長官で構成。

司法

  • 最高裁、控訴裁、地裁の三審制。ほかに公務員犯罪特別裁判所。

3.政治体制

政体

  • 共和国。普通選挙にもとづく民主主義。大統領が政治の最高権力を持つ。

主な政党

PDPラバンドゥテルテ大統領の与党。1986年に旧フィリピン民主党(PDP)と国民の力(Lakas ng Bayan)が合同して結成(PDPは1983年にベニグノ・アキノ氏が創設)。従来は少数政党だが、大統領戦後、他党からの移籍が増え最大与党に。地方議会でも他党からの合流。

自由党
(LP)1946年結成の自由主義(リベラル)政党で、従来は二大政党の一翼を担う。ベニグノ・アキノ前大統領時代には最大与党。現在は所属議員がPDPラバン等に流れる。創設者の孫、M.ロハス上院議員が現党首で、2016年大統領選挙に出馬、ドゥテルテ氏に敗北。

国民党
(NP)1907年結成、独立運動を主導した保守政党。戦後史では二大政党の一翼で、マルコス元大統領が所属。1978年にマルコスが新支持政党として「新社会運動」を結成したことにより解体したが、その後再建された。

ラカスCMDアロヨ前大統領時代の与党。2009年、ラモス元大統領系の「ラカス(力)」とアロヨ大統領系の「カンピ(自由フィリピンの仲間)」が統合して結成。

民族主義者国民連合
(NPC)1992年の大統領選の際、候補であったエドワルド・コファンコ氏支持者の政党。

国民統一党
(NUP)2011年にラカスCMDを離れた議員・支持者により結成された政党。

4.人口動態

  • 国連人口基金(UNFPA)の推計によれば、フィリピン人口は、2013年に1億人を超えた。現況から見ると、その後、2050年に約1億5,100万人、2100年には約1億7,300万人に達すると予測されている。

  • 国民年齢の中央値は23.5歳であり、若年人口比率が高い。国民の年齢別構成は、25歳未満が52.6%、25歳~64歳は43.03%、65歳以上が4.5%である。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 農林水産業とサービス業が主要な産業である。GDPの産業分野別比率はサービス業等59.8%、製造業等30.6%、農業等9.6%(2017年、WFB)

労働力人口

  • 2017年の労働力人口は4,139万人。分野別比率はサービス業等56.3%、農業等25.4%、製造業等18.3%(WFB)。サービス産業では、近年、コールセンター事業等のビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業なども成長している。

  • 政府は、5か月などの短期契約の反復更新が脱法的に利用されていることから(6か月雇用すると正社員化する規定がある)、その改善を指導している。

6.経済状況

経済情勢

  • 経済は好調を維持し、ASEAN加盟国の中でも高い成長率が続いている。 2017年のGDP成長率は6.7%であり、産業別には製造業が8.6%増、農林水産業が3.9%増。貿易では輸出が伸びているが、国内の好況などから輸入も増大し貿易赤字は拡大。

  • 経常収支は25億ドルの赤字にとどまり、ほぼ均衡がとれているが、これを支えているのは、アジアや中東などで働く1000万人を超える在外フィリピン人からの送金である。2016年にはGDPの一割に近い269億ドルが送金されている。国内産業の改善をすすめバランスのとれた経済構造を実現することが課題である。

  • ドゥテルテ大統領は2017年2月、「フィリピン開発計画2017-2022年」を策定し、経済基盤となるインフラの整備を重視し、高信頼社会と国際競争力ある知識経済を志向することを表明、具体的施策を展開しつつある。

所得の動向等

  • 一人当りGDPは2,988ドル(2017年)。

7.労働組合の組織

ナショナルセンター

  • 代表的な労働団体は、フィリピン労働組合会議(TUCP)である。このほか、FFW、SENTROなどのITUC加盟組織、その他がある。2013年、TUCPは分裂し二つの組織が活動している。組織率は8.7%(2014年・労働雇用省)。

  • 活動の主要課題は、①生産性と労使関係、 ②グリーンジョブとディーセントワーク、 ③経済特区とコールセンターの組織化、④組合経済プロジェクトなど。
    (※)国際労働財団「ナショナルセンター情報」参照。

産業別の状況

  • TUCP加盟産別の主な業種は、製造業、電子、繊維、化学、銀行である。

8.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 労働者教育・支援プログラムを実施している組織は次の通り。JILAF(日本)、FES(ドイツ)、LO(デンマーク)、SASK(フィンランド)、ACILS(米)、APHEADA(豪)、LO-TCO(スウェーデン)、WSM(ベルギー)。GUFsによる活発な支援。

現地事務所設置

  • 上記のうち、FES(ドイツ)、LO(デンマーク)が現地事務所を設置し事業を展開。

9.労使紛争の状況

  • 労使紛争の主な原因としては、最低賃金が遵守されないことも含む賃金の不払い、労使が合意した労働協約(CBA)違反によるトラブルの他、セクシャルハラスメント及び職場内の暴力行為等が挙げられる労使紛争の結果ストライキ等の争議行為に発展することはほとんどない。
     労使紛争からストライキ等に発展しない理由として、 憲法を根幹とした政労使が社会対話を行うことでトラブルを解決する土壌や、国が労使紛争の解決に積極的に介入することができる制度が背景にある。未組織の企業では、通常は苦情処理委員会が労働者の苦情解決にあたる。苦情処理委員会で解決されない労働事件は、労働裁判所や全国労使関係委員会(NLRC)で争われることとなるが、その前にシングルエントリー・アプローチ(SEnA)で仲裁・調停を経なければならない。

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

  • 「賃金合理化法」にもとづき、「三者委員会」が地域と 産業の最低賃金を決定。地域別の状況は以下の表の通り。

  • なお、2012年の法改正で、「生産性賃金制度」が取り入れられた。「生産性賃金」とは、①労働者の生産性、業務内容、生活コスト、企業の業績・財務状況を勘案して調整、 ②別途のガイドラインで調整、 ③導入は企業の任意、とされている。

地域別最低賃金額(2018年9月現在)

(単位:ペソ、%)

地方コード対象地域改訂後改定月改定前上昇率

NCRマニラ首都圏5122017.104914.3

CARコルディエラ自治区3202018.83006.7

R1イロコス3102018.128010.7

R2カカヤンバレー3402017.930013.3

R3中部ルソン4002018.83805.3

R4カラバルソン4002018.4378.55.7

ミマロパ3002017.92807.1

R5ビコール305.02018.8290.05.2

R6西部ビサヤ365.02018.6323.512.8

R7中部ビサヤ386.02018.8366.05.5

R8東部ビサヤ305.02018.6  

R9サンボアンガ半島316.02018.6296.06.8

R10北部ミンダナオ338.02017.63186.2

R11バタオ370.02018.8340.08.8

R12ソクサージェン311.02018.4295.05.4

CARAGAカラガ305.02017.12290.05.2

ARMMイスラム自治区280.02018.6265.05.7

※職種等で賃金額が異なるため、各地域の最高額のみを表示。

資料:出所:全国賃金生産性委員会

労働・社会保障法制

  • 主な労働・社会保障法制は次の通りである。
    「労働法典」(1974年)(※)、「賃金合理化法」、「最低賃金法」(2013年)など。
    →(※)の法律は国際労働財団HP「アジア労働法データベース」に日本語訳がある。

11.日本のODA方針 (外務省「国別開発協力方針(2016年4月)」より)

  • 基本方針:フィリピン政府の「開発計画2017-22年」が目標とする「包摂的な成長、競争力のある知識経済等」の実現に向け、「日比共同声明(2017年)」の実施を含めた経済協力を実施。

  • 重点分野:①雇用の創出・人材育成を含む産業振興など持続的経済成長のための基盤強化、②貧困層への影響の大きい各種リスクへの脆弱性の克服と生活・生産基盤の安定、環境問題に対応する社会インフラ整備など、包摂的な成長のための人間の安全保障の確保等、③ミンダナオにおける平和と開発

12.JILAFの事業

  • 現地支援事業はセミナーを1994年から実施。テーマは「労組基礎教育」、「労使関係」、「労使協議制度」、「金融危機への対応」(2009年)、「参加型職場環境改善(POSITIVE)」(2004~2009年)、「労使関係と生産性(PROGRESS)」(2009~2013年)、「グローバル化と労働組合の役割」(2013年)、「労使関係・労働政策」(2013~2017年)。

  • 招へい事業:1991年度からはじめ、今日までに83人(男性48人、女性35人)の若手労働組合指導者を招へい(2017年度末現在)。

  • 貿易管理制度

  • ページを印刷する

  • 管轄官庁

  • 輸入品目規制

  • 輸入地域規制

  • 輸入関連法

  • 輸入管理その他

  • 輸出品目規制

  • 輸出地域規制

  • 輸出関連法

  • 輸出管理その他

  • 管轄官庁

  • 貿易産業省(DTI)が貿易政策の策定などを管轄。ワシントン条約(絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)については、環境自然資源省が管轄している。また動植物の検疫証明書については、農業省植物産業局(DA-BPI)および農業省動物産業局(DA-BAI)がそれぞれ発行している。

  • 貿易産業省(Department of Trade and Industry:DTI)

  • 住所:Trade & Industry Building 361 Senator Gil J. Puyat Avenue, Makati City, Metro Manila, Philippines 1200
    Tel:63-2-751-0384
    E-mail:ask@dti.gov.ph

  • 投資委員会(Board of Investments:BOI)

  • 住所:Ground Floor Industry and Investments Bldg., 385 Senator Gil Puyat Avenue, Makati City, Metro Manila, Philippines 1200
    Tel : 63-897-6682

  • 環境自然資源省(Department of Environment and Natural Resources)

  • 住所:Visayas Avenue, Diliman, 1100 Quezon City, Metro Manila, Philippines
    Tel:63-2-929-6626

  • 農業省植物産業局(Department of Agriculture Bureau of Plant Industry:DA-BPI)

  • 住所:692 San Andres Street, Malate, Manila, Philippines
    Tel:63-2-525-3470
    E-mail:bpi.information@yahoo.com

  • 農業省動物産業局(Department of Agriculture Bureau of Animal Industry:DA-BAI)

  • 住所:Visayas Avenue, Diliman, Quezon City, Metro Manila, Philippines 1101
    Tel:63-2-926-6883
    E-mail:bai_dir@yahoo.com

  • 輸入品目規制

  • 輸入規制品目および輸入禁止品目が定められている。

  • 関税法により、輸入品目は次のとおり分類されている。

  • 自由輸入品目

  • 輸入が規制または禁止されておらず、政府機関の事前許可が不要な品目。

  • 輸入規制品目

  • 輸入に際して、中央銀行を含む政府機関からの許可が必要な品目。輸入品目のリストは関税局のウェブサイトで公表されている。主な輸入規制品目と輸入許可発給機関は、次のとおり。

  • 無水酢酸:麻薬取締局(DEA)

  • コメ:国家食糧庁(NFA)、農業省植物産業局(DA-BPI)

  • シアン化物、シアン化合物:環境管理局(EMB)

  • クロロフルオロカーボンその他のオゾン層破壊物質:環境管理局(EMB)

  • 石炭およびその派生物:エネルギー省(DE)エネルギー資源管理局

  • 精製石油製品:エネルギー省(DE)石油産業管理局

  • 1インチ当たり2,400ドット以上のカラー印刷機(プリンター除く):中央銀行(BSP)

  • 爆発物製造用化学薬品:フィリピン国家警察火器爆発物局(PNP-FEO)

  • 農業用の殺虫剤:肥料農薬庁(FPA)

  • 樹木または植物の種子または苗木:農業省植物産業局(DA-BPI)

  • 自動車:内国歳入局(BIR)(中古車については、貿易産業省(DTI)公正取引執行局(FTEB)の承認も必要)

  • 自動車部品:貿易産業省(DTI)公正取引執行局(FTEB)(過塩素酸カリウムを含むエアバッグモジュールについては、フィリピン国家警察火器爆発物局(PNP-FEO))
    なお、関税局回状(CMC)第61号(s.2018)は、大統領令(EO)第877-A号(S.2010)が、新品の自動車部品を輸入規制の対象外とする趣旨であることを明確にした。

  • 自動車のタイヤ、チューブ、シートベルト:製品標準局(BPS)

  • 社会主義国(中国を除く)からの輸入品:フィリピン国際貿易公社(PITC)

  • 放射性物質:フィリピン原子力研究所(PNRI)

  • 1万ペソを超えるフィリピン法定通貨および1万米ドル相当を超える外貨:中央銀行(BSP)

  • リサイクル品、金属の廃品、金属を含む汚泥、プラスチックの廃品および電子組み立て品の廃品など:環境管理局(EMB)

  • 塩:健康省食品薬品局(BFAD)

  • 牛乳:健康省食品薬品局(BFAD)

  • 肉類、肉製品:農業省動物産業局(DA-BAI)

  • 日本産牛肉については、2000年以降、狂牛病を理由として輸入が禁止されてきた。その後、政府間で協議が進められ、2014年3月、特定危険部位(SRM)を含まないこと、と蓄前のピッシングや、圧縮空気もしくはガスを頭蓋腔に注入する機器を用いたスタンニングを行わないこと、フィリピン政府から認定を受けた輸出施設で処理されることなどの輸出条件を満たす場合、日本からの牛肉輸出が認められることとなった。

  • 関税局通達(CMO)第09-2015号は、ある化学物質について輸入規制品目のリストに記載がないとしても、当該化学物質が規制の対象でないことを必ずしも意味するものではないと規定している。

  • 輸入規制品目のリストに記載がなく、フィリピン化学物質一覧(Philippines Inventory of Chemicals and Chemical Substances:PICCS)に記載があるものについては、輸入規制品目にはならない。
    PICCSの内容については、データベースが公開されている。詳細はウェブサイト参照。
    環境自然資源省 PICCS 2015 データベース

  • 輸入規制品目リストに記載がないが、PICCSにも記載がないものは、輸入規制品目に当たり、環境管理局(EMB)の許可を得なければならない。

  • これらのほか、関税局回状(CMC)第95号(s.2015)により、輸入品が製品標準局回状(BPS Circular)第15-03号に記載されている物品に該当する場合には、製品標準局(Bureau of Philippine Standards)による輸入商品許可証(Import Commodity Clearance)の発給を受けなければならないと定めている。輸入商品許可証については、「輸出入手続」参照。

  • 詳細:
    関税局:輸入品目規制に関するユーザーガイド "User's Guide to the Bureau of Customs Regulated Imports List(31KB)"
    農林水産省:フィリピン向け牛肉の輸出について

  • 輸入禁止品目

  • 輸入禁止品目は、次のとおり。

  • 関税法第101条に規定されている品目

  • ダイナマイト、火薬、弾丸その他の爆発物、戦闘用火器および兵器ならびにその部品(法律で認められている場合は除く)

  • フィリピン政府に対する反逆、反乱、暴動、転覆、法に対する実力的抵抗を主張もしくは扇動する内容を有し、または、フィリピンの人民に対して生命の危険もしくは身体的危害を与える脅威を含むあるあらゆる形態の文書または印刷物

  • わいせつまたは非道徳的な内容を含む文書、ネガ、映画フィルム、写真、彫刻、リトグラフ、物体、絵画、線描画、その他の表示物

  • 非合法な中絶を行うために考案、意図または調整された器具、薬品および物質、または非合法な中絶を行う場所、方法もしくは人の情報を直接的または間接的に提供する印刷物

  • ルーレットの回転盤、ギャンブル用品一式、不正さいころ、印の付けられたトランプ、ギャンブルで使用される機械、器具、装置など

  • フィリピン政府が認めたもの以外の宝くじおよびその広告や一覧

  • 全部または一部を金、銀、その他貴金属で製造されたもので、それら貴金属の正確な純度が示されていないもの

  • 食品医薬品法(Food and Drugs Act)に違反した混合物、または不適切な表示をした食品および薬品

  • マリファナ、アヘン、ケシ、コカノキの葉、ヘロインなどの習慣性があると大統領が定める薬物

  • アヘン吸引用のパイプおよびそのパーツ(原料は問わない)

  • その他法律などに基づき管轄官庁から輸入が禁止されているもの

  • 古着およびぼろ(共和国法第4653号)

  • おもちゃの銃(Letter of Instruction第1264号)

  • フィリピン知的財産法またはその他の関連法を侵害する商品

  • 中古車および同部品(行政命令(Executive Order)第156号)
    (例外品目:トラック、バス、特殊車両(救急車など)、地方自治体に寄付される中古車)

  • 右ハンドル車(共和国法第8506号)

  • 有害廃棄物(運搬中のものを含む)(共和国法第6969号、環境自然資源省・行政命令(Administrative Order)第1992-29号)

  • ハード型界面活性剤を含む洗濯洗剤および工業洗剤(共和国法第8970号)

  • PCB(環境自然資源省・行政命令第1-2004号)

  • 生きたピラニア、エビ(水産委員会・行政命令(FAO)第126-1979号、同第207-2001号)

  • 輸入地域規制

  • 一部社会主義国からの輸入については、貿易産業省およびフィリピン国際貿易公社(PITC)の承認が必要。

  • 次の社会主義国からの輸入には、フィリピン国際貿易公社(PITC)の承認が必要である。

  • アルバニア共和国

  • ラオス人民民主共和国

  • エチオピア連邦民主共和国

  • モザンビーク共和国

  • モンゴル人民共和国

  • 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)

  • ニカラグア共和国

  • 社会主義人民リビア・アラブ国

  • ミャンマー連邦

  • 輸入関連法

  • セーフガード法(共和国法第8800号)および施行細則(共同行政命令第03-00号)、アンチダンピング法(共和国法第8752号)、相殺関税法(共和国法第8751号)、戦略取引管理法(共和国法第10697号)、右ハンドル車輸入禁止法(共和国法第8506号)など。

  • 輸入管理その他

  • 輸入業者(importer)および通関業者(custom broker)の認定に関するガイドライン、船積前検査、セーフガード措置

  • 輸入業者(importer)および通関業者(custom broker)の認定に関するガイドライン

  • 輸入業者(importer)および通関業者(custom broker)の認定に関するガイドラインが歳入庁(Bureau of Internal Revenue:BIR)および関税局(Bureau of Customs)からそれぞれ公布されている(RMO No.10-2014、CMO No.11-2014)。すべての輸入業者および通関業者は、歳入庁通達(RMO No.10-2014)に従って歳入庁による認定を受けなければならず、認定後は歳入庁から輸入業者証明書(BIR Importer Clearance Certificate:BIR-ICC)または通関業者証明書(BIR Broker Clearance Certificate:BIR-BCC)が発行される(歳入庁通達3.1条)。
    その上で輸入業者または通関業者は、関税局通達(CMO No.11-2014)に従い、それらの許可証を他の申請書類とともに関税局に提出し、認証のための申請を行う(関税局通達3条)。同通達は認証後の報告要件についても規定している(関税局通達7条)。なお、次の場合には、関税局の承認を得る必要はない(関税局通達2条)。

  • 1年に1回のみの輸入

  • 郵便物による、または公式な通関によらない輸入

  • フィリピン政府または政府機関による輸入

  • 個人使用物品、自動車、二輪自動車、家族・海外労働者その他居住者の帰国のための引っ越し用の家財道具

  • 外国政府の大使館、領事館、公使館若しくは機関、またはフィリピン政府によって認められた外交上の地位を有する国際機関(アジア開発銀行、世界保健機構など)による輸入

  • 船積前検査

  • バラ積貨物等の船積前検査実施に関する手続規定が、関税局通達(Customs Memorandum Order:CMO)第2010-18号として2010年5月12日付で公布され即日発効し、同年6月5日マニラ港到着分から実施されている。

  • 定義

  • バラ積貨物(Bulk Cargo):包装しないでそのまま大量に一括して積み込まれる裸貨物をいう(例:鉱石、石炭、砂利、穀物等)

  • ブレーク・バラ積貨物(Break-Bulk Cargo):箱、梱、パレット等を用いた非コンテナ貨物で、数量で表示されるもの(例:鉄鋼コイル製品、原材料のフレコバッグ等の荷物)

  • 認定検査会社
    検査会社認定委員会(Committee for Accreditation of Cargo Survey Companies)により認定を受けた会社(ACSC)が検査を実施する。
    現在、この認定を受けている会社は、Bureau Veritas、Cotecna、Intertek、SGSの4社となっている。

  • 船積港検査報告書の提出
    認定検査会社によって発行される貨物の説明、荷主、受取人、貨物の品質、等級、価格、品目分類、積出港、本船名、出港予定日時、B/L、寄港地などを記載した報告書を、認定検査会社から直接税関へ、入港12時間前までに電子的な方法で提出しなければならない。

  • 事前通関手続き
    認定検査会社が事前貨物検査を実施した貨物については、次の条件を満たす場合に、入港前に輸入申告および関税の支払いが可能となる。

  • 輸入の対象となる貨物に関する申告が完全になされ、すべて真実であること

  • 申告書およびインボイスに記載されている当該貨物の実際の価格、保険料や運賃その他の必要な手数料に関する記載がすべて真実で、政府による適切な徴収を害するような情報の除去または隠蔽がないこと

  • 当該貨物に関するインボイスおよびB/Lが唯一のものであること

  • 申告書、インボイスおよびB/Lがすべての面で正しく、同一の人物によって作成されたとされていること

  • 輸入港における認定検査会社による貨物検査
    積出港検査報告書の添付がない輸入貨物、あるいは非認定検査会社による積出港検査報告書添付の輸入の場合は、税関職員を含む関係者(本船船長等、荷受人代表、ターミナル職員等)参加による船降し前会議(Pre-discharging Conference)が開催される。この事前会議開催後、認定検査会社による検査実施を経て、税関長への検査結果報告提出、関税等の評価・徴収、輸入許可の発行という手順になる。

  • セーフガード措置

  • 輸入鶏肉および鶏肉製品に対する特別セーフガード措置の一時的解除について
    関税局は、2004年6月2日、関税局通達(Customs Memorandum Order:CMO)第15-2004号を発令し、輸入鶏肉および輸入鶏肉製品への特別セーフガード措置(農水省(Department of Agriculture:DA)省令第4号[2002年9月25日発令]により発動)を一時的に解除した。この一時的解除は、新たな省令もしくは通知があるまで有効である。

  • 畜類および農作物の輸入に対する特別セーフガード措置について
    セーフガード法(2000年7月19日付共和国法第8800号)に基づき、特定の畜類および農作物の輸入に対しては、特別セーフガード関税が課せられる。

  • テストライナーに対するセーフガード措置の実施について
    関税局は2011年7月29日、関税局通達(CMO)第29-2011号を発令し、テストライナー(リサイクル原料を用いた段ボールの外層)へのセーフガード措置を発動することを決定した。

  • 山形鉄材(Steel Angle Bar)に対するセーフガード措置の実施について
    関税局は2015年8月10日、関税局通達(CMO)第26-2015号を発令し、山形鉄材へのセーフガード措置の最終延長を実施すると発表した。

  • 新聞印刷用紙(Newsprint)に対するセーフガード措置の実施について
    関税局は2015年6月5日、関税局通達(CMO)第64-2015号を発令し、新聞印刷用紙へのセーフガード措置を発動することを決定した。

  • 輸出品目規制

  • 輸出規制品目および輸出禁止品目が定められている。

  • 行政命令(Executive Order)第1016号により、輸出に関する検査は原則として廃止されているが、例外として輸出が規制または禁止される品目が定められている。対象となる品目は、関税局回状(Customs Memorandum Circular)第64-2014号にて定められており、主な品目と関係機関としては次のものがある。なお、2016年12月時点での輸出規制品目および輸出禁止品目については、貿易産業省のウェブサイトを参照。2016年12月版は、2018年12月時点で最新。
    貿易産業省 "List of Prohibited and Regulated Products for Export as of December 2016"

  • 輸出規制品目(主な品目)

  • 衣類および布地、絨毯、ポリエステル短繊維、フィラメント、織物、布・革張り家具、その他天然および合成繊維など:衣類繊維輸出委員会(GTEB)

  • 銅精鉱:投資委員会(BOI)

  • 穀物:国家食糧庁(NFA)

  • 植物、生鮮果実、野菜、昆虫標本、薬草、切り花など:農業省植物産業局(DA-BPI)

  • 人工林の材木:森林管理局(FMB)

  • 砂糖および糖蜜:砂糖統制委員会(SRA)

  • コーヒー:国際コーヒー組織認定局(ICO-CA)

  • 生きた動物(鳥および虫を含む)およびその生成物など:農業省動物産業局(DA-BAI)

  • 魚介類(生魚、鮮魚、干物、加工品、冷凍品):漁業水産資源局(BFAR)

  • 光学・磁気メディア:光学メディア委員会(OMB)

  • 1万ペソを超える法定通貨:中央銀行(BSP)

  • 骨董、文化遺産など:国立博物館(NM)

  • 武器および爆発物:フィリピン国家警察火器爆発物局(PNP-FEO)

  • 輸出禁止品目(主な品目)

  • アバカおよびラミーの種子および苗:繊維産業開発庁(FIDA)

  • マングローブ:森林管理局(FMB)

  • ミルクフィッシュの幼魚および産卵期にあるもの:漁業水産資源局(BFAR)

  • 栽培用のサババナナ:農業省植物産業局(DA-BPI)

  • 金:中央銀行(BSP)

  • 天然林の丸太および材木:森林管理局(FMB)

  • 熟したココナッツおよびココナッツの苗:フィリピンココナッツ庁(PCA)

  • エビの卵および稚魚:漁業水産資源局(BFAR)

  • 一定の種類の貝:漁業水産資源局(BFAR)

  • 野生植物および動物:保護地区および野生生物局(PAWB)

  • 1.~10.のほかに、戦略取引管理法(共和国法第10697号)により、軍事目的または大量破壊兵器の製造に利用可能な物品の輸出入等が規制されており、これらの物品の輸出入等をする際には、戦略取引管理局(Strategic Trade Management Office:STMO)の許可を得なければならない。

  • 詳細:関税局回状第64-2014号(Customs Memorandum Circular No.64-2014(50.55MB))

  • 輸出地域規制

  • なし

  • 輸出関連法

  • 輸出促進法(共和国法第7844号)が、輸出セクターの開発と輸出目標の達成を目的として制定されている。また、大統領令、関税局回状・通達にて、輸出手続きの簡素化を行っている。

  • 輸出促進法(共和国法第7844号)は「新興工業国」というイメージを推し進めるため、持続的な農工業開発の国家戦略に焦点を当てている。また、輸出業者に付与されているオムニバス投資法等に基づく輸入関税免税、輸出製品の製造に用いられる原材料、補給品、半製品にかかる輸入関税の還付措置などの優遇措置を強調している。
    さらに、外国投資法(共和国法第7042号、共和国法第8179号により改正)は、外国人の出資する輸出企業に対する規制方法を定めている。

  • その他、輸出手続きを簡素化するために、政府部局間の機能を調整する大統領令(Presidential Decree)第930号と関税局回状(CMC)第158-99号、輸出に関する検査を原則として廃止することを定めた行政命令第1016号(輸出品目規制の項参照)、丸太を除いて輸出関税を撤廃することを定めた行政命令第26号、原産地証明書の発行手続きを定めた関税局通達(CMO)第27-2004号と同第27A-2004号、輸出に関する許可や通関の手数料を廃止して輸出品について原則として通関免除を定めた大統領令第554号と関税局回状(CMC)第184-2006号がある。

  • 輸出管理その他

  • 特になし

  • 関連情報

  • 基本的な輸出入制度

  • WTO・他協定加盟状況

  • 貿易管理制度

  • 関税制度

  • 為替管理制度

  • 輸出入手続

  • 貿易・投資相談Q&A

  • もっと見る

  • 衣料品の現地輸入規則および留意点:フィリピン向け輸出 2015年9月1日

  • 加工食品の現地輸入規則および留意点:フィリピン向け輸出 2015年1月14日

  • アルコール飲料の現地輸入規則および留意点:フィリピン向け輸出 2014年12月3日

  • 小口貨物の通関制度:フィリピン 2013年9月19日

  • 自動車部品の現地輸入規則および留意点:フィリピン向け輸出 2012年12月14日

  • 中古機械の現地輸入規則および留意点:フィリピン向け輸出 2012年12月4日

  • 一時輸入制度:フィリピン 2011年2月7日

  • 医療機器の現地輸入規則および留意点:フィリピン向け輸出 2010年10月1日

  • 中古車の現地輸入規則および留意点:フィリピン向け輸出 2010年10月1日

  • 種子(播種用)の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出 2018年3月30日

  • 衣料品の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出 2018年3月29日

  • 小型モーターのエネルギー効率に関する表示方法:中国向け輸出 2018年3月29日

  • 化粧品の現地輸入規則および留意点:インドネシア向け輸出 2018年3月28日

  • 中古車の現地輸入規則および留意点:ミャンマー向け輸出 2018年3月26日

  • 食器の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出 2018年3月26日

  • 化学製品の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出 2018年3月26日

  • 化粧品の現地輸入規則および留意点:シンガポール向け輸出 2018年3月26日

  • 危険化学品の使用許可制度・登録制度にかかわる注意点:中国 2018年3月14日

  • 化粧品の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出 2018年3月9日

  • 加工食品の現地輸入規則および留意点:インドネシア向け輸出 2018年3月5日

  • 加工食品の現地輸入規則および留意点:韓国向け輸出 2018年3月5日

  • 小口貨物の通関制度:中国 2018年2月28日

  • 貨物の梱包材の検疫:中国向け輸出 2018年2月26日

  • 中古車の現地輸入規則および留意点:バングラデシュ向け輸出 2018年2月19日

  • 原産地規則と原産地証明書:ベトナム 2018年2月9日

  • 製造物責任法の概要:中国 2018年2月9日

  • 電子機器輸出におけるEMCの規則をクリアしていることを証明する書類:韓国向け輸出 2018年2月8日

  • 輸出用製品の原材料輸入に係る税還付制度:タイ向け輸出 2018年2月5日

  • ノンアルコール飲料の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出 2018年2月5日

  • 化学肥料の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出 2018年2月2日

  • もっと見る

  • 調査レポート

  • もっと見る

  • ヘルシーライフスタイル マニラ版(2019年2月)

  • 世界と日本のFTA一覧(2018年12月)

  • 2018年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査(2018年12月)

  • 2017年 主要国の自動車生産・販売動向(2018年11月)

  • 2018年の経済見通し(世界54カ国・地域)(2018年5月)